新年明けましておめでとうございます。
お正月はいつものようにあっという間に過ぎ、休みボケが抜けないまま今年も仕事始めとなってしまいました。
新年、東京兜町の大発会は前日比479円の大幅上昇で始まり、今年の景気に対する期待感が現われた初取引でした。しかしながら世界は昨年のEU離脱、トランプ氏の大統領当選のように番狂わせが相次ぎ、これまで長年続いた民主主義、自由貿易の流れに陰りが見え始め、不確実性の時代に入るかの様相を呈しています。
昨年いろいろと話題になった東京都の小池知事は都庁での年頭の挨拶で干支にちなんで鳥の目を持つことが必要だと幹部職員を前に話しています。確かに世界は一つの主義、思想では捉えられない時代となって来ており、俯瞰する目で情勢を見、判断することが必要になって来ていると言えます。 物事を判断する時は①本質的、②長期的、③多面的に考えることが大事とある本に書かれていました。
世界の政治、経済情勢は、地方の中小企業には関係ないように思われるかもしれませんが、 グローバルに有機的につながる現代社会では、リーマンショックの時と同じように世界で起こる政治、金融、相場、株式市場、科学技術の変化が津波のように大きな波となって日本中を飲み込む危険性があることを私たちは認識しなければなりません。ですから片田舎の小さな製造業と言えども、世界のさまざまな動きを常に注視し、いま何が起ころうとしているのか、そしてこれからどうなっていくのかを考えないと経営の判断を誤ることになります。
私共の作る極細銅線は情報機器、医療機器、ロボット関連のケーブル等に使われますが、これまで携帯からスマホへのデジタル製品の変遷、各国の医療制度の変更、銅相場の変動、為替変動の中で大なり小なり影響を受けて来ました。幸いにもこれまでは無事やって来れましたが、いまの時代はどこから致命的なパンチが飛んでくるか分からないわけです。そうかと言っていつも身構え、萎縮していては結局早晩終わりを見ることになってしまいます。
こうした変化の時代にはチャンスをつかむ感性と行動力が大事だと考えています。昨年は補助金をいただき、さらに極細化する銅線に対処して設備投資を行いました。また、いまは可動性ケーブルに適した耐屈曲性のある導体を開発中です。不安定、不透明な状況にも怯むことなく、きちっと未来を見据え、開発、投資を行う姿勢を堅持して、これからもお客様に喜ばれる製品を作り続けていくことが当社の使命だと考えています。どうぞ本年も引続きご愛顧のほど何卒よろしくお願い致します。
最後に、この新しい年が皆様にとりましてより佳き年でありますように心から祈念いたしまして、
新年のご挨拶とさせていただきます。
2017年 元旦
代表取締役 小暮三十光